「色素増感太陽電池」は、その構造が簡易で低コストで作成できる反面、発電効率がやや劣り、また太陽電池中の電解液の液漏れを主要因とした耐久性の問題が指摘されています。電解液に蛍光顔料の粒子を分散させることにより発電に用いられなかった波長帯の光を使用することで発電性能の向上を図っています。
下記可逆ゲルの電解液を用いて液漏れ防止と発電効率の向上を図った研究も行っています。
(平成28-29年度 科学研究費補助金 若手研究(B))
ナノサイズのシリカ粒子が高分子水溶液中に分散した系は振ることによってゲル化し、その後静置すると流動性が元に戻る「可逆ゲル」の性質を示します。当研究室では低コスト化、長期安定性の向上に関する研究のほか、このユニークな特性を活かすための応用化に関する研究も行っています。
ウッドチップ舗装を施した路面(実験室レベル)の下にこの可逆ゲルを入れた袋を敷いて路面の反発力を調べると、ゲル状態の時のほうがより高く値を示しました。この路面はゆっくり歩く際には衝撃を吸収し、速く走ると力が伝わりやすいという、これまでにない特性を有します。
(平成26-27年度 科学研究費補助金 若手研究(B) )
絶縁性の液体に直接高電圧を印加した際に、高速のジェット流が発生する現象を電気流体力学(EHD)と呼びます。モーターを使わずに電気のエネルギーを直接流体に作用させるためエネルギーロスが小さくなるなど、省エネ化が期待されています。当研究室では流体や電極材料など様々な条件におけるEHD効果の強弱について調べ、より効率的なエネルギー変換を目指しています。
微粒子分散系に高電圧を印加すると、電極間で粒子が鎖状構造を形成する「ER効果」と呼ばれる現象が知られています。この鎖状構造は電極の構造を変えることで大幅に変化することから、ポリマーブレンドなどの微細構造(モルフォロジー)を電場によって自在にコントロールすることを目指しています。
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